外科医として約10年勤務していた間、家に帰りたいと望みながら病院で亡くなる方のことがいつも気になっていました。当時の病院は、重症の患者さまを家にお返しすることはできないというスタンスでしたし、私自身、在宅医療制度の存在さえ知りませんでした。
そんなとき、先輩医師の訪問診療に同行する機会を得ました。訪問先は偶然にも、以前病院で診察していた患者さまのお宅で、 ご自宅での患者さまは素敵な笑顔をされていました。病院にいらっしゃるときとは全く違う表情に接することができたことで、在宅医療に魅力や可能性を感じるようになり、患者さまをご自宅で支えたいと強く思うようになりました。
大阪大学医学部医学科卒業後、大阪大学旧第一外科入局。大阪府下の急性期病院で外科医として勤務した後、開業。外科専門医。
佛教大学大学院社会学研究科社会学専攻修士課程修了（社会学修士）。修士論文「HIV/AIDSに対する差別についての社会学的検討～KH Coderを用いたHIV/AIDS関連ホームページの内容分析～」において、HIV関連ブログの内容分析を通して、HIV感染者に対する差別が続く構造について考察。
大阪市立大学大学院都市経営研究科医療・福祉イノベーション経営コース修了（都市経営学修士）。修士論文「家族介護者とのかかわりを通じて在宅医療を変革する」において、困難な課題を抱えた方々への支援、家族介護者への支援、多職種連携の在り方について考察。
大手企業等で産業保健師として働いていましたが、夫より福島区で開業したいという相談を受けて、一緒に活動することを決めました。当初は訪問診療に同行する形で手伝っていましたが、「中村クリニック」へ1人目の患者さまを紹介してくださった、旧「やさしいそら訪問看護ステーション」が閉鎖することになり、依頼を受けて株式会社エイ・アイ・ピーを立ち上げ、新「やさしいそら訪問看護ステーション」を開設しました。
エイ・アイ・ピー は 、私たちが目指している、Aging in Place（ 全ての人が住み慣れた場所で自分らしく最期まで暮らす）の頭文字からつけました。
当初、2.5名から始めた訪問看護ステーションは、看護師も増え、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も新たなメンバーとして加わりました。また、2021年9月からは、「木もれ陽ケアプランセンター」を開設し、より地域と密着した事業を展開していく所存です。
高齢者が生き生きと生活できるまちにしていきたい、その思いから地域づくりにも積極的に関わってまいります。常に新しいことに挑戦し、地域に貢献していきたいと思っておりますので今後もどうぞよろしくお願いします。
大阪大学医学部保健学科卒業後、キヤノン株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社で13年間産業保健師業務に従事。大阪教育大学大学院教育学研究科特別支援教育専攻修士課程修了（教育学修士）後、夫の診療所を手伝いながら株式会社エイ・アイ・ピーを設立し、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所の運営に携わり現在に至る。
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻博士後期課程で在宅医療について研究中。
「やさしいそら訪問看護ステーション」は、2010年に大阪市福島区鷺洲に創設され、2017年に現在の事業者が引き継ぎました。新たに医療機関と協力体制を図り「安心して住み慣れた地域で自分らしく生を全うする」ことができるよう支援していくことを使命とし、看護を提供しています。
当ステーションには、病棟勤務を経て在宅看護を長年続けている者や、認知症ケアに尽力し高齢者のケアに心を注いでいる者、心療内科や精神科において心理的・精神的な関わりを深く行ってきた者、大学院で看護を理論的に考える訓練をしてきた者など、少数ながら豊富な経験や知識を持ったスタッフも所属しています。さらに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と、リハビリのスタッフも揃い、多角的な視点で利用者さまの「その人らしさ」や「生活環境」を考慮しつつ、「できること」に注目して支援しています。
他機関との連携も重視しており、必要な情報の連絡を行い、地域でつながり安心して過ごしていただけるよう支援してまいります。人生の終盤に地域で生を全うされるご本人とご家族のご意向が、最期まで尊重されるよう伴走させていただきたいと思います。
在宅での介護や退院後の療養生活に不安を感じていらっしゃる方、お悩みのある方は、お気軽に「やさしいそら訪問看護ステーション」にご相談ください。
働きながらヘルパーの資格を取り、大手の介護事業所で働いていましたが、印象に残るケアマネジャーさんと一緒にお仕事する機会が何度かあり、豊富な知識と、常に利用者さまに寄り添う姿勢に尊敬と共感を抱き、自分もケアマネジャー業務に携わりたいと思って、資格を取得しました。
ケアマネジャーの役割は多岐にわたり大変さも感じますが、丁寧に利用者さまと向き合い、困難事例や地域貢献に重点を置いて活動して行くという、中村さんや村尾さんの理念に賛同し、一緒にお仕事をさせていただいています。
縁あって、優幸会グループの「木もれ陽ケアプランセンター」の立ち上げに参加させていただきました。
気が付けば、福島区で高齢者支援のお仕事にずいぶん長く携わらせていただいています。一つひとつのご相談に関わる中で、地域の皆さま、福祉や医療関係者の皆さまとご一緒させていただき、共に考え、お力添えやご指導をいただくことで、どうにかこうにかやってこれたことを感謝しています。「その方らしい生活」の正解が何なのかはまだわかりませんが、これからもこのご縁を大切に、ご利用者さまの伴走者の一人でありたいと願っています。
