家族介護者から学ぶ②
2023年10月23日
医師の中村です。 前回の続きで、家族介護者のケアからの学びを紹介します。 80歳代男性、パーキンソン病で嚥下障害があり、胃瘻を造設していた患者さん。 娘さんが熱心に介護されていました。 娘さんの「一緒に食事したい」という思いで、日に一回、 家族で食卓を囲むことを日課にされていました。 囲むだけではなく、この娘さん、家族と同じ食事をミキサーにかけ、 患者さんの胃瘻から注入していました。 この患者さん、ラコールという栄養剤を使っていました。 ラコールにはカルニチンという成分が含まれておらず、 ラコールを長期間投与している患者さんでカルニチン欠乏症が 起こりうることが報告されています。 カルニチンは普通に食事をしていれば欠乏することはありません。 この患者さん、食事を胃瘻から注入してもらうことで、 カルニチン欠乏症を一度も起こすことはありませんでした。