自宅で最期まで過ごすために必要なこと
2023年9月7日
医師の中村です。 今日は自宅で最期まで過ごすためのポイントについてお話します。 在宅患者さんが、歩いてトイレに行けなくなったら、 1週間以内に55.9%が亡くなる1)というデータがあります。 この時期には、せん妄・呼吸困難感・倦怠感などの症状も出現し、 自宅療養が困難になる人が多くみられます。 自宅で最期まで過ごすためには、最期の1週間を どう乗り切るのかが重要な課題になります。 私が思うポイントは、 1.どのような症状が出現しうるのかを知っておくこと、 2.出現しうる症状に対する対応方法を用意しておくこと、 3.早めに支援体制(訪問看護さん、ヘルパーさん)を確立しておくこと、 4.どうしようもなくなった時のためにバックベット(入院先)を用意しておくこと、 です。 ポイントの4つ目は、一見矛盾しているようですが、バックベットを 用意しておくことで、本人もご家族も安心して自宅療養でき、 結果的に自宅で最期まで過ごせる方が多いように思います。 1)市橋亮一,紅谷浩之,竹之内盛志.『在宅医ココキン帖』.ヘルス出版.2019年,p.41