がん終末期患者さんの特徴
2023年8月7日
医師の中村です。 当院では、がん終末期の患者さんを担当することが多いです。 今回は、がん終末期の患者さんの、在宅医療での特徴 についてお話ししたいと思います。 一つ目は、がん終末期の患者さんには、さまざまな症状が出現することです。 在宅医療の四苦八苦1)への対応が求められます。 四苦八苦とは、出血、下痢、せん妄、呼吸苦、夜の見守り、 トイレに行けない、痰が多い、スピリチュアル・ペインです。 どれも在宅の場で起こると、やっかいな症状です。 どのような症状が出る可能性があるのか、病院からの情報をもとに、 予測と準備をしておくことが重要です。 二つ目は、生活機能が低下するスピードが速いことです。 がん終末期の患者さんは、お亡くなりになられる 1~2か月前までは比較的お元気に過ごされます。 ところが1か月をきってくると、急速に生活機能が低下するという特徴があります。 まだ元気でも、あっという間に寝たきりになってしまい、 本人や家族がついていけないことがあります。 自宅での療養を継続するためには、支援体制(ヘルパー・訪問看護)を 早めに確立しておく必要があります。 生活機能が低下する徴候を見逃さず、 早め早めに支援体制を強化していくことが、重要になります。 1)市橋亮一,紅谷浩之,竹之内盛志.『在宅医ココキン帖』.ヘルス出版.2019年,p.30