認知症フレンドリー社会について考える
2022年10月13日

日本には認知症の方が600万人いるといわれています。この数字がいかに衝撃的か。
日本の人口の全体を100人として換算してみます。座席が埋まって、ぱらぱらと立っている電車の中の状態は、1両で100人くらいいるそうです。100人のうち、28人が高齢者、5人が認知症の人、5人が小学生なります。

認知症の人の数と小学生の数とはほぼ同じ数になります。

道を歩いていると、小学生らしい子供をよく見かけます。
それと同じくらい、認知症の人とすれ違っているかもしれません。、
つまり、私たちの社会は、認知症の人が普通にいる社会だといえます。

そして、認知症は他人ごとではありません。歳をとると、誰もが認知症の当事者になりえます。
認知症の人の比率は、75歳以上 10%、80歳以上 20%、85歳以上 50%と年を取るごとに増えてきます。

増え続ける認知症の人に対して、私たちは、どう対応していけばいいのでしょうか?

「認知症フレンドリー社会」という考え方を紹介したいと思います。
認知症の人が何らかの事故を起こしたとしましょう。今後、事故を予防するために、認知症の人の行動を制限して事故を予防しよう、と考えてしまうのではないでしょうか。認知症の人を、「特別な人」と考えて、みんなで面倒をみてあげよう。これは一般的な考え方だと思います。
それに対して、認知症フレンドリー社会では、認知症の人をどうこうしようではなく、認知症になっても普通に暮らせるように、社会の側のデザインを変えてみようという考え方です。フレンドリーには、「認知症の人に使いやすい」、「認知症の人に適応している」という意味がこめられています。

認知症フレンドリー社会への取り組みが進んでいるイギリスの事例を紹介します。図書館に認知症の本のコーナーをつくり、認知症の人や家族が学べるようにした取り組み。スーパーに、認知症の人がゆっくり会計できるようなスローレーンをつくった取り組み。バスにのったとき、ヘルプカード(降りるバス停の名前をかいたカード)を運転手にわたし、駅がついたら声をかけてもらう取り組みなどがあります。

「認知症フレンドリー社会」の著者の徳田さんは、認知症フレンドリー社会を実現するために必要なことは、認知症の人や家族が体験したことを社会で共有し、社会の側をどのように改良していくのかを考えることと述べています。

優幸会グループでは、この度、全2回で「認知症フレンドリー社会を考える」と題したワークショップを企画しました。1回目は認知症VR体験、シルバーウッドさんのご協力を得て2022年10月13日(木)に開催しました。2回目は認知症体験をもとに、レゴブロックを用いたワークショップ(レゴシリアスプレイ)を企画しています。レゴシリアスプレイは企業のチームビルディングなどで用いられる手法です。言葉でだけの議論では、声の大きい人の意見に支配されてしまいがちです。レゴブロックというモノを介在させて話し合うことで、立場、経験、年齢の違いを越えて話し合うことができます。

2回目は2022年11月10日(木)14時~15時30分で予定しています。2回目だけでも参加していただけますので、参加希望の方はぜひご連絡下さい。

*お問い合わせ先*
TEL:070-3351-4715
FAX:06-6455-8756
担当:中村

 

参考文献:徳田雄人「認知症フレンドリー社会」岩波新書

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