ライフ・レッスン
2022年8月22日
おはようございます。医師の中村です。今日は、エリザベス・キューブラー・ロスとデーヴィッド・ケスラーの共著「ライフ・レッスン」を紹介します。キューブラー・ロスは「死ぬ瞬間」で有名な先生です。
この本も、死にゆく人びとから学んだレッスンを紹介していくれています。死にゆく人びとは、人生の終わりに多くを学び、「大いなるレッスンをもたらす教師」と述べています。この本の中から、「最終レッスン」を紹介したいと思います。
「死の宣告をうえけたときに真の生がはじまるのは、死をリアリティとしてみとめたとき、同時に生のリアリティを認めざるを得なくなる」。死の床にある人たちは、自分が「まだ生きている」ことに気づきます。
死にゆく人たちが教えてくれるレッスンは、「毎日をフルに生きる」ことと述べてます(p364)。
あなたが最後に星空をながめたのはいつ?と著者は問いかけてきます。ほとんどの人が、毎日、星空の下にくらしていながら眺めようともしない。平凡の中にある非凡なものを感知しているだろうか?
がん終末期の方と接していると、数か月前まで、ご自身に死を全く意識していなかっただろうな、という方がたくさんいます。なかには私と同年代の方もいます。私も1年後には死を意識せざるを得ない状態になっているかもしれません。
今年にみた桜が、人生最後の桜になるかもしれません。今年にみた花火が、人生最後の花火になるかもしれません。
「毎日をフル」に生きましょう!
エリザベス・キューブラー・ロス、デーヴィッド・ケスラー 2005年「ライフ・レッスン」角川文庫